Column
永住者の子どもは1年で永住申請できる?日本生まれ・海外生まれの違い 【2026年最新】

「父が永住者ですが、子どもも永住申請できますか?」
「子どもはまだ日本に来て1年しか経っていません。」
「永住者の子どもが日本で生まれました。」
「中国で生まれた子どもを日本へ呼び寄せました。」
「親が最近永住を取得しました。子どもも申請できますか?」
永住者の子どもには、一般的な会社員の永住申請とは異なる在留年数の特例があります。
一般ルートでは原則、
日本に引き続き10年以上在留
することが必要です。
しかし、永住許可ガイドラインでは、
日本人・永住者・特別永住者の実子等については、日本に1年以上継続して在留
している場合に、原則10年在留の特例があります。
つまり、
親が永住者である一定の子どもについては、10年待つ必要がない場合があります。
永住者の実子等は「日本1年以上」の特例がある
例えば、
父:永住者
母:技術・人文知識・国際業務
子:外国籍、3年前から日本で生活
という場合、
子どもについては、
「日本に10年住んでいないから永住申請できない」
と単純には判断しません。
永住者の実子等に該当すれば、1年以上継続して日本に在留しているという特例を検討できます。
ただし、
1年経過=自動的に永住許可
ではありません。
親子関係、現在の在留状況、扶養者の税金・年金・健康保険等も確認します。
1.子どもには「素行」「独立生計」の特例もある
永住許可の一般的な法律上の要件には、
素行が善良であること
独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
があります。
しかし、日本人・永住者・特別永住者の、
配偶者または子
については、この2つの要件に適合することを要しないとされています。
これは特に未成年の子どもを考えると分かりやすいでしょう。
小学生の子どもに、
「自分自身の給与で独立した生活をしてください」
という要件をそのまま要求するわけではありません。
子ども本人に収入がなくても、それだけで問題にはならない
子ども本人に給与収入がなくても、
それだけで独立生計要件を満たさないということにはなりません。
一方で、実際に子どもを扶養している親について、
職業
収入
住民税
年金
健康保険
等の資料を確認します。
したがって、
「子どもの要件が緩和される=親の経済状況や公的義務は何も見ない」
という意味ではありません。
2.親が永住者なら、すべての子が同じ在留資格になる?
いいえ。
特に重要なのが、
子どもが日本で生まれたか、海外で生まれたか
です。
在留資格「永住者の配偶者等」は、
永住者等の配偶者のほか、
永住者等の子として日本で出生し、その後引き続き日本に在留している者
を対象としています。法務省
そのため、
日本で生まれた永住者の子
と、
海外で生まれて後から日本へ来た永住者の子
では、現在の在留資格が異なることがあります。
「永住者の子=必ず永住者の配偶者等」ではない
例えば、
父:永住者
子:中国で出生
↓
その後、日本へ呼び寄せ
という場合、
「永住者の配偶者等」は、子については原則として日本で出生し、その後引き続き日本に在留していることを前提とした資格です。
海外で出生した未成年・未婚の実子については、親の在留資格や扶養関係等に応じて「定住者」など別の在留資格となる場合があります。法務省
しかし、
現在の在留資格が「定住者」だから、永住者の子としての特例を一切使えない
とは限りません。
永住申請では、申請時点の親子関係と本人の在留歴を確認します。
3.日本で生まれた永住者の子どもはどうする?
日本で子どもが生まれ、
その子が日本国籍を取得しない場合には、
そのまま何も手続せず日本に住み続けることはできません。
出生後60日を超えて日本に在留する場合には、原則として、
出生の日から30日以内
に在留資格取得の申請を行います。法務省
出生時から永住者資格の取得を希望する場合も30日以内
出入国在留管理庁の永住許可申請手続では、
出生等により、
永住者の在留資格の取得を希望する外国人
も永住許可申請の対象とされています。
この場合の申請期間も、
出生その他の事由発生後30日以内
です。法務省
したがって、
「赤ちゃんだから、とりあえず何か月か経ってから手続すればいい」
という考え方には注意が必要です。
出生したらまず市区町村の出生届も必要
外国籍の子どもが日本で生まれた場合、
入管手続だけではなく、
市区町村への出生届、
本国への出生登録、
旅券取得等も関係します。
特に永住者資格の取得を希望する場合は、
出生からの期限が短いため、早めに手続を整理すること
が重要です。
4.日本で生まれたら自動的に日本国籍になる?
なりません。
日本は原則として、
出生地主義ではなく血統主義
を採っています。
父母がともに外国籍の場合、
日本国内で生まれたという理由だけで、その子が当然に日本国籍を取得するわけではありません。
そのため、
父:永住者・中国籍
母:中国籍
という夫婦の子どもが東京で生まれた場合でも、
「日本生まれ=日本人」
とはなりません。
外国籍の子として必要な手続を確認します。
5.海外で生まれた永住者の子どもは1年で永住申請できる?
永住許可ガイドラインの特例では、
永住者等の実子等の場合、日本に1年以上継続して在留
していることが示されています。
したがって、海外出生の子どもについても、
申請時に永住者の実子等に該当し、
日本で1年以上継続して在留している場合には、特例を検討できます。
「海外出生だから10年必要」とは限らない
例えば、
父:永住者
子:中国出生
↓
10歳で来日
↓
定住者として日本で2年間生活
という場合、
単に、
「定住者だから5年必要」
とだけ考えるのではなく、
永住者の実子としての1年特例に該当するか
を確認する必要があります。
現在の在留資格だけを見て永住可能時期を判断しないことが重要です。
6.親が後から永住者になった場合は?
例えば、
父:技人国
子:家族滞在
として長年日本で生活し、
その後、父が永住許可を取得したケースです。
この場合、父が永住者となったことで、
子どもは申請時点では、
永住者の実子
という身分関係になります。
そのため、子どもの永住については、
これまでの日本在留期間、現在の在留資格、親子関係等を確認したうえで、
永住者の実子としての特例を利用できるか
を検討します。
親が永住したら子どもも自動的に永住者にはならない
ここは重要です。
父が永住許可を取得しても、
家族滞在の子どもの在留資格が、
自動的に永住者へ切り替わるわけではありません。
子ども本人について、
別途永住許可申請を行う必要があります。
7.親と子が同時に永住申請する場合とは違う
すでに作成した「家族全員で永住申請」の記事では、
主たる申請人がまだ永住者ではない段階で、
家族滞在の配偶者・子どもも一緒に申請するケースを扱っています。
今回のテーマは、
親がすでに永住者である子ども
または、
親の永住取得後に子どもが申請するケース
が中心です。
この2つは考え方が異なります。
親と同時申請なら「親が許可されること」が前提になるケースもある
例えば、
父:技人国
子:家族滞在
で2人が同時に永住申請する場合、
申請時点では父はまだ永住者ではありません。
一方、
父が先に永住取得
↓
その後、子が永住申請
の場合には、
申請時点で子どもは永住者の実子です。
家族の状況によって、
同時申請と、親の許可後の申請のどちらを検討するか
を整理する必要があります。
8.子どもの永住では税金は何年分?
永住者等の実子については、現在の永住許可申請1では、
所得・住民税関係資料について、
直近1年分
を提出する取扱いとなっています。
通常の会社員ルートの直近5年や、
配偶者ルートの直近3年とは確認期間が異なります。法務省
実際に見るのは扶養する親の資料が中心になることが多い
未成年の子どもには通常、大きな所得はありません。
そのため、申請資料では、
申請人または申請人を扶養する方
について、
職業
所得
納税状況
を確認します。
例えば父が子どもを扶養しているのであれば、
父の所得・納税資料が重要になります。
9.年金・健康保険も実子等は直近1年
永住許可申請1では、通常の配偶者ルートについて年金・健康保険は直近2年ですが、
日本人・永住者・特別永住者の実子等については直近1年分
の資料を提出する取扱いです。法務省
子ども本人ではなく、
実際に扶養している親の社会保険状況が重要になるケースが多いでしょう。
1年だけ見れば、それ以前は何でもいいという意味ではない
提出資料の標準期間が直近1年だからといって、
それ以前の問題が法律上すべて無関係になるという意味ではありません。
入管は審査上必要な場合には追加資料を求めることがあります。
そのため、
過去に大きな未納・法令違反等がある場合は個別確認
が必要です。
10.子ども本人の在留期間は3年・5年でないとダメ?
2026年現在、永住許可ガイドラインでは原則として、
現在の在留資格について、
最長の在留期間
を有していることが求められています。
ただし、2027年3月31日までは、
在留期間3年を最長として扱う一般的な経過措置
があります。法務省
子どもについても、現在の在留期間と特例・経過措置との関係を確認します。
「実子1年特例」と「最長在留期間」は別の条件
1年以上日本に在留していることは、
10年在留要件についての特例
です。
それによって、
その他の永住条件がすべて自動的に免除されるわけではありません。
ここを分けて考えることが重要です。
11.成人した子どもでも1年特例を使える?
永住許可ガイドラインは、
実子等
について1年以上の特例を規定しており、
「未成年だけ」とは記載していません。
そのため、
成人しているという理由だけで直ちに一般10年ルートしか使えないとは限りません。
ただし、
親子関係、現在の在留状況、独立した世帯となっているか等によって提出資料・確認事項が異なる可能性があります。
「子ども」という言葉だけで判断せず親子関係を証明する
永住者の子として申請する場合、
現在の公式必要書類では、
出生証明書
それに準ずる親子関係証明資料
などによって、
永住者との親子関係
を証明します。法務省
中国籍の方であれば、本国の出生・親族関係資料などの確認が必要になることがあります。
12.養子でも同じ?
この点は、
「子ならすべて同じ」
と考えない方が安全です。
現在の永住許可申請1は、
日本人については「実子(特別養子縁組を含む)」、
永住者・特別永住者については「実子」
という形で案内しています。法務省
したがって、
普通養子・特別養子等が関係する場合には、
一般的な実子ケースと同じ扱いだと自己判断せず、個別に確認することをおすすめします。
永住者の子どもで特に事前確認したいケース
次のような方は、単純に「親が永住者だから申請できる」と判断しない方がよいでしょう。
日本で生まれたばかりの子ども
出生から30日が近い
中国など海外で生まれた子ども
海外出生後に定住者で来日した
家族滞在で日本に在留している
親が最近永住を取得した
親と同時に永住申請するか迷っている
子どもの日本在留がまだ1年前後
親に税金・年金の支払遅れがある
現在の在留期間が1年
成人した子ども
養子関係がある
親子関係を証明する本国書類が複雑
このようなケースでは、
出生地+現在の在留資格+親が永住者になった時期+子どもの日本在留期間
を時系列で整理することが重要です。
よくある質問
Q.父が永住者です。子どもは10年住まないと永住できませんか?
一定の実子等については、日本に1年以上継続して在留している場合の特例があります。
一般的な10年ルートとは異なります。
Q.子ども本人に収入がありません。
日本人・永住者・特別永住者の子については、独立生計要件そのものは免除されています。
ただし、扶養する親の職業・所得・税金・社会保険等を確認します。
Q.日本で生まれました。
永住者の子として日本で出生し引き続き日本にいる場合、「永住者の配偶者等」に該当することがあります。
また、出生時から永住者資格の取得を希望する場合には30日以内の手続を確認します。
Q.中国で生まれてから日本に来ました。
海外出生の子は「永住者の配偶者等」の子の定義とは異なるため、現在「定住者」等で在留している場合があります。
ただし、永住者の実子として1年特例を検討できる場合があります。
Q.父が先月永住者になりました。
父が永住しただけで子どもが自動的に永住者になるわけではありません。
子ども本人の永住申請を別途検討します。
Q.税金は5年必要ですか?
永住者等の実子について、現在の標準提出資料では原則直近1年分です。
Q.年金・健康保険は2年ですか?
永住者等の実子については、現在の標準提出資料では原則直近1年分です。
Q.1年日本にいれば必ず許可されますか?
いいえ。
1年は在留年数の特例であり、親子関係や現在の在留状況、公的義務など他の条件も確認されます。
永住者の子どもは「親の在留資格」と「どこで生まれたか」が重要
永住者の子どもの永住は、
一般的な会社員の、
10年+就労5年
とは大きく異なります。
特に重要なのは、
永住者の実子等なら日本1年以上という在留年数特例がある
ことです。
一方で、
日本で出生
海外で出生
親が出生時から永住者
親が後から永住者になった
という違いによって、
現在の在留資格や申請ルートが変わります。
エンライト行政書士事務所では、永住者のお子様について、
出生地
出生日
出生後の在留手続
親が永住者になった時期
現在の在留資格
日本での継続在留期間
親子関係資料
扶養者の所得
税金
年金・健康保険
親子同時申請との比較
まで確認し、現在どのルートで永住申請を検討できるかを整理しています。
永住申請の初回要件確認は無料です。
エンライト行政書士事務所
行政書士 宮島 詩卉
電話:03-5284-7981
受付時間:平日10:00~18:00
※永住申請のサポートは原則として東京出入国在留管理局の管轄地域を対象としています。
参考情報
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
出入国在留管理庁「永住許可申請1」
出入国在留管理庁「永住許可申請」
出入国在留管理庁「在留資格『永住者の配偶者等』」
出入国在留管理庁「在留資格取得許可申請」
出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」




