Column
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「私が永住申請するとき、家族滞在の妻も一緒に申請できますか?」
「子どもは日本に来てまだ3年ですが、10年待つ必要がありますか?」
「私だけ先に永住を取る方がいいですか?」
「家族3人で申請すると、誰か1人の問題が全員に影響しますか?」
永住申請では、
家族全員が同じタイミングで永住を希望する
ケースが少なくありません。
例えば、
夫:技術・人文知識・国際業務
妻:家族滞在
子:家族滞在
という家庭です。
この場合、
主たる生計者だけが永住要件を満たしていれば、家族については何も確認しなくてよい
というわけではありません。
一方で、
配偶者や子どもも全員10年以上日本に住まなければ永住できない
と一律に考えるのも適切ではありません。
家族同時申請では、
誰がどの要件で永住を申請するのか
を家族ごとに整理することが重要です。
「家族滞在」でも永住許可申請の対象になる
出入国在留管理庁は、永住許可申請の手続を、
日本人・永住者等の配偶者・実子等
定住者
就労資格・家族滞在
高度人材
特別高度人材
などに分けて案内しています。
つまり、
「家族滞在だから永住申請そのものができない」
というわけではありません。
実際、出入国在留管理庁の「永住許可申請3」は、
就労関係の在留資格だけでなく「家族滞在」
も対象にしています。
ただし、
家族滞在はそもそも、
就労資格等を持つ外国人の扶養を受ける配偶者・子
として在留する資格です。
そのため、家族滞在の方だけを切り離して考えるのではなく、
誰の扶養家族として在留しているのか
を含めて確認する必要があります。
主たる申請人と配偶者・子を「同時申請」できる場合がある
実務上、
夫:技人国
妻:家族滞在
子:家族滞在
という家族について、
夫の永住申請と妻・子の永住申請を同じタイミングで行う
ケースがあります。
ただし、
家族全員を同じ日に申請すれば、それだけで要件が緩和される
という単純な制度ではありません。
主たる申請人が永住許可を受けることを前提として家族同時申請を検討する場合でも、
配偶者との婚姻期間
配偶者の日本在留期間
子どもの在留期間
家族関係の実態
税金
年金
健康保険
収入
在留資格上の問題
などを確認する必要があります。
現在の永住許可ガイドラインでは、
永住者・日本人・特別永住者の配偶者
について、
実体を伴った婚姻生活が3年以上継続
し、
引き続き1年以上日本に在留
している場合、原則10年在留の特例があります。
主たる申請人がまだ永住者ではない状態で家族同時申請を行う場合の取扱いについては、公開ガイドラインだけで全てのケースを機械的に判断できるわけではありません。
しかし実務上、
婚姻3年以上+日本1年以上
を満たしているかは、家族同時申請を検討するうえで非常に重要な確認事項になります。
「夫が10年いるから、妻も自動的に永住できる」わけではない
例えば、
夫:日本在留12年
妻:日本在留8か月
婚姻期間:2年
というケースです。
夫が一般ルートの在留年数を満たしていても、
妻について、
「夫が永住申請するから同時に出せば問題ない」
とは一概にいえません。
婚姻期間、日本での在留期間、現在の在留資格などを別途確認する必要があります。
家族同時申請は、
主たる申請人の永住要件を、そのまま家族へコピーする制度ではありません。
現在の永住許可ガイドラインでは、
日本人・永住者・特別永住者の実子等について、
引き続き1年以上日本に在留
している場合に原則10年在留の特例があります。
そのため、子どもについても、
いつ日本へ来たか
日本で出生したか海外で出生したか
現在の在留資格
日本での継続在留期間
などを確認します。
特に、
親は10年以上日本にいるが、子どもは最近来日した
という家庭では、親の在留歴だけで判断しないことが重要です。
子どもが生まれたばかりの場合は個別確認が必要
例えば、
父母は日本在留10年以上
↓
子どもが日本で出生して6か月
というケースがあります。
親が永住申請できるからといって、
子どもも当然同時に永住できる
とは限りません。
子どもの出生時期・現在の在留資格・在留期間によって申請方針が変わります。
家族同時申請では、
「家族だから全員同じ条件」ではない
ことを理解しておく必要があります。
家族同時申請でも、永住審査は申請人ごとに行われる
永住許可は、
家族単位で1つの永住許可を取得する制度ではありません。
夫・妻・子どもが申請する場合、それぞれが申請人です。
したがって、
夫に問題がない
↓
妻にも自動的に問題がない
とはなりません。
例えば妻について、
無許可の資格外活動
税金の問題
長期出国
在留資格との不整合
などがある場合には、その事情を別途確認します。
子どもについても、在留期間や家族関係等を確認します。
主たる申請人が不許可になると家族側にも影響しやすい
家族同時申請を、
主たる申請人が永住者になることを前提
として組んでいる場合、
主たる申請人が不許可になれば、その前提自体が成立しなくなります。
例えば主たる申請人に、
税金の支払遅れ
年金未納
在留年数不足
収入・生活安定性の問題
交通違反・刑事処分
現在の在留資格への不適合
などがあれば、
家族全体の申請方針へ大きく影響する可能性があります。
そのため家族同時申請では、
まず主たる申請人の永住要件が十分に整っているか
を確認することが非常に重要です。
逆に家族の問題が主たる申請人に関係する場合もある
例えば、
妻が家族滞在で在留しており、
資格外活動許可を受けて週28時間以内で就労しているつもりだったものの、
実際には許可範囲を超えて就労していた、
というケースです。
この場合、
妻本人の永住申請だけの問題とは限りません。
世帯の生活状況、扶養関係、申請内容との整合性なども確認する必要があります。
家族同時申請では、
本人だけ完璧ならよい
という考え方ではなく、
家族全体の在留状況を事前に確認する
ことが重要です。
家族滞在の配偶者が働いている場合は特に注意
家族滞在は、
扶養を受ける配偶者・子
として在留する資格です。
資格外活動許可を取得すれば一定範囲で就労できますが、
一般的な包括許可では原則として、
週28時間以内
という制限があります。
例えば、
妻:家族滞在
週35時間勤務
収入も夫と同程度
という状態の場合、
単に、
「世帯年収が高いので永住に有利」
とは考えられません。
現在の「家族滞在」という在留資格との整合性を確認する必要があります。
配偶者の収入が多ければ多いほど良い、とは限らない
永住では世帯の生活安定性は重要です。
しかし家族滞在の方の場合、
収入が非常に高い、または本人が実質的に独立して生活できるほど継続就労している場合には、
本当に「扶養を受ける配偶者」として家族滞在に該当しているのか
という別の問題が出てくる可能性があります。
全国一律の、
「年収○万円を超えたら家族滞在ではない」
という単純な公式基準で判断するものではありません。
仕事内容、労働時間、収入、扶養関係を含めて確認します。
家族同時申請では世帯収入を確認する
例えば、
夫:年収600万円
妻:家族滞在・無職
子:2人
という家庭と、
夫:年収600万円
妻:会社員・年収500万円
子:なし
では、家計の構造が異なります。
永住許可ガイドラインは、一般的な申請について、
将来において安定した生活が見込まれること
を求めています。
一方、
家族4人なら年収○万円必要
という全国一律の最低年収額は公表されていません。
確認するのは、
主たる生計者の所得
配偶者の所得
扶養人数
過去の所得推移
雇用の安定
世帯全体の生活状況
などです。
家族滞在の永住でも住民税は原則5年確認される
現在の「永住許可申請3」では、就労資格・家族滞在について、
申請人および申請人を扶養する方の直近5年分
の所得・住民税資料を原則として求めています。
つまり、
夫だけの税金を確認すればよい
とは限りません。
妻に所得がある場合には、妻自身の課税・納税状況も確認します。
本人が無職・非課税の場合にも、扶養者の所得・納税状況を確認します。
年金・健康保険は原則直近2年
就労資格・家族滞在からの一般的な永住申請では、
公的年金・公的医療保険について直近2年間
が原則的な確認対象です。
確認するのは申請人だけではなく、
申請人を扶養する方
も含まれます。
例えば、
夫は厚生年金に問題なし
↓
妻が過去に国民年金へ加入していた期間があり、納付遅れ
というケースでは、その記録も確認する必要があります。
健康保険の扶養に入っている場合
配偶者や子どもが会社員である主たる生計者の健康保険上の被扶養者となっているケースがあります。
被扶養者であること自体が問題ではありません。
むしろ、
加入期間に空白がないか
適切に被扶養者として処理されていたか
国民健康保険へ加入すべき期間がなかったか
などを確認します。
特に転職時に、
家族全員の健康保険が一時的に切り替わる
ケースでは注意が必要です。
主たる申請人だけ先に永住を取る方法もある
家族同時申請だけが選択肢ではありません。
例えば、
夫:永住要件が十分整っている
妻:婚姻期間・日本在留期間が短い
子:来日したばかり
という場合があります。
このようなケースでは、
まず夫だけ永住申請
し、
その後、家族の在留資格・永住申請時期を整理する方法も考えられます。
どちらが適切かは、
家族全員の現在の条件によって異なります。
主たる人だけ永住者になったら「家族滞在」のままでよい?
ここは重要です。
在留資格「家族滞在」は、
一定の就労資格・留学等を持つ外国人の扶養家族のための在留資格です。
「永住者」は家族滞在の扶養者となる在留資格の一覧には含まれていません。
そのため、主たる生計者だけが先に永住者となった場合には、
家族側について、
現在の家族関係に対応する適切な在留資格への変更
を検討する必要があります。
配偶者・子どもの出生地や家族関係等によって、
「永住者の配偶者等」や「定住者」等、該当し得る在留資格は異なります。
夫だけ永住になった後も、家族滞在をそのまま更新し続ければよい
とは考えない方がよいでしょう。
だからこそ「同時申請か、段階的申請か」の判断が重要
家族全員の条件が整っている場合には、
同時申請によって、
家族全体の在留資格を一度に永住へ安定させられる可能性
があります。
一方、
家族の一部に、
在留期間不足
資格外活動の問題
長期出国
税金・年金
家族関係上の問題
がある場合には、
全員を一度に申請することが最適とは限りません。
家族同時申請は、
「まとめて出した方が楽」
という理由だけではなく、
家族全員の許可要件を確認したうえで選択する申請方法
と考える必要があります。
高度人材70点・80点の家族も自動的に1年・3年にはならない
例えば夫が、
高度人材80点
で1年ルートを利用する場合があります。
妻と子が家族滞在であったとしても、
夫の80点を妻・子へそのまま移すことはできません。
高度人材ポイントは本人について計算する制度だからです。
家族同時申請を検討できる可能性はありますが、
配偶者・子については、
家族関係・在留期間・現在の在留資格等を別途確認
する必要があります。
「夫が80点だから、家族全員1年で永住」
と機械的に判断するのは避けましょう。
長期出国がある家族は一人ずつ確認する
例えば、
夫:日本に10年間継続在留
妻:毎年数か月中国へ帰国
子:2年前から中国の学校へ留学
という家族があります。
同じ家族でも、
日本での実際の生活期間はそれぞれ異なります。
永住では「引き続き在留」という考え方があるため、
出入国歴も家族ごとに確認する必要があります。
主たる申請人の在留歴が問題ないからといって、
配偶者・子の長期出国まで自動的に問題なしとなるわけではありません。
家族同時申請中に現在のビザが切れる場合
永住許可申請をしても、
現在の在留期限が自動的に延長されるわけではありません。
永住審査中に在留期限を迎える場合には、
家族それぞれについて必要な在留期間更新等を別途行う必要があります。
特に家族全員で申請すると、
夫・妻・子で在留期限が異なる場合があります。
永住申請を出したからといって、現在の在留カードの期限管理を止めないよう注意が必要です。
2026年10月1日以降は永住許可手数料が1人20万円
2026年10月1日以降に受け付けられる永住許可申請は、許可時の手数料が、
1人につき200,000円
へ改定されます。
家族同時申請であっても、永住許可は各申請人について行われます。
そのため、原則として、
夫+妻+子1人
の3名全員が許可された場合には、
永住許可手数料だけで合計600,000円
となります。
なお、2026年9月30日までに受け付けられた申請については、10月1日以降に許可となっても改定前の手数料が適用されます。
申請時期によって家族全体の公的手数料が大きく変わるため、2026年は特に注意が必要です。
ただし、
手数料を抑えるためだけに、家族の要件が整っていない状態で急いで申請する
ことはおすすめできません。
家族全員のうち1人だけ不許可になることもある?
永住申請は個人単位の審査です。
そのため、
家族同時申請=全員必ず同じ結果
と法律上決まっているわけではありません。
例えば主たる申請人は許可されても、
別の家族について個別の問題があれば、その方について別の判断になる可能性があります。
逆に、主たる申請人の永住許可を前提として家族側の申請を組んでいる場合には、
主たる申請人の不許可が家族側へ大きく影響する
可能性があります。
だからこそ、提出前に家族全員の状況を確認する必要があります。
家族同時申請で特に事前確認したいケース
次のような場合には、
「家族だから一緒に出せる」
だけで判断しないことをおすすめします。
主たる申請人だけ来日10年を満たしている
配偶者は日本在留1年未満
婚姻3年未満
子どもが最近来日した
日本で生まれたばかりの子がいる
配偶者が家族滞在で働いている
配偶者の勤務時間が週28時間を超えている可能性がある
配偶者の収入が主たる生計者より多い
配偶者に税金・年金の遅れがある
家族の一部に国民健康保険期間がある
家族の一部に長期出国がある
主たる申請人が高度人材70点・80点ルート
主たる申請人だけ先に永住を取得することも検討している
家族3人以上で2026年10月以降に申請予定
このような案件は、
誰を、いつ、どの申請区分で申請するか
によって手続全体が変わります。
よくある質問
家族同時申請を検討できるケースがあります。
ただし、夫の永住要件だけでなく、婚姻期間、妻の日本在留期間、税金・年金、資格外活動等も確認します。
必ずしも家族全員に一般ルートの10年要件をそのまま当てはめるわけではありません。
家族関係と在留期間を踏まえ、利用できる特例や同時申請の取扱いを確認します。
親と同じ10年を待たなければならないとは限りません。
ただし、子ども本人の在留期間等は確認が必要です。
資格外活動許可の有無、勤務時間、仕事内容、扶養関係を確認します。
世帯収入は重要ですが、家族滞在の活動内容・扶養関係との整合性も重要です。
可能なケースがあります。
ただし、夫が永住者となった後は、家族滞在の配偶者・子について現在の家族関係に合った在留資格への変更も検討する必要があります。
夫の80点が妻へそのまま適用される制度ではありません。
家族同時申請が可能か、妻自身の婚姻期間・在留期間等を別途確認します。
2026年10月1日以降の申請で3人全員が許可された場合、永住許可手数料は原則1人20万円のため、3人で60万円となります。
永住申請中でも現在の在留期間更新等は別途必要です。
家族の永住は「全員同時」が最適とは限らない
家族で長く日本に生活していると、
「どうせなら全員一緒に永住を取りたい」
と考えるのは自然です。
そして、条件が整っていれば家族同時申請を検討できるケースがあります。
しかし重要なのは、
同じ家族でも、永住要件は一人ずつ異なる
ということです。
主たる申請人には問題がなくても、
配偶者の婚姻期間
配偶者の資格外活動
子どもの在留期間
家族の出国歴
税金・年金
世帯収入
などによって、
同時申請がよいのか、申請時期を分けた方がよいのか
が変わります。
エンライト行政書士事務所では、家族で永住を希望する方について、
主たる申請人の永住要件
配偶者の婚姻期間・在留歴
子どもの在留歴
家族滞在の資格外活動
世帯収入
家族全員の税金・年金・健康保険
長期出国
高度人材特例
同時申請と段階的申請のどちらが適切か
まで確認したうえで、家族全体として最も適切な申請時期を整理しています。
永住申請の初回要件確認は無料です。
エンライト行政書士事務所
行政書士 宮島 詩卉
電話:03-5284-7981
受付時間:平日10:00~18:00
※永住申請のサポートは原則として東京出入国在留管理局の管轄地域を対象としています。
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
出入国在留管理庁「永住許可申請3(就労資格・家族滞在)」
出入国在留管理庁「永住許可申請にかかる提出書類一覧表」
出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」
出入国在留管理庁「永住許可申請1(日本人・永住者等の配偶者・実子等)」
出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
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