Column
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「会社を退職して現在無職ですが、永住申請できますか?」
「雇用保険の失業給付を受けていれば収入として見てもらえますか?」
「配偶者が働いていれば、自分が無職でも大丈夫ですか?」
「次の会社がまだ決まっていない場合、就職してから申請した方がいいですか?」
永住申請では、現在の職業と収入が重要な審査項目になります。
そのため、退職後や失業中の方から、
「無職になった時点で永住申請はできないのでは?」
というご相談をいただくことがあります。
結論からいうと、
現在無職であるという理由だけで、永住許可申請そのものができなくなるわけではありません。
出入国在留管理庁の永住申請必要書類でも、申請人と配偶者の双方が無職の場合について、無職である旨を説明書に記載して提出するよう案内されています。
ただし、一般的な永住申請では、
「将来にわたって安定した生活を続けられるか」
という独立生計要件が重要です。
そのため、無職期間の長さ、退職理由、配偶者の収入、預貯金、過去の所得、再就職の見込みなどを含めて判断する必要があります。
無職でも永住申請はできる?
永住許可ガイドラインでは、一般的な要件の一つとして、
独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
が定められています。
具体的には、
日常生活において公共の負担にならず、資産・技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること
が求められています。
ここで重要なのは、
「現在会社に勤務していること」そのものが法律上の絶対条件として書かれているわけではない
という点です。
実際、就労資格等から永住申請する場合の公式必要書類には、
会社勤務の場合:在職証明書
自営業の場合:確定申告書等
その他の場合:職業に係る説明書と立証資料
という区分があり、
申請人と配偶者の双方が無職の場合も説明書を提出する
とされています。
したがって、
無職=申請不可
ではありません。
ただし、
無職の状態でも将来の生活が安定していることを、何によって説明するか
が問題になります。
「無職でも申請できる」と「許可されやすい」は別
無職でも申請を受け付けてもらえることと、
その状態で永住許可を受けやすいか
は別の問題です。
例えば、
最近退職したばかり
配偶者に十分な安定収入がある
預貯金が十分にある
すでに次の就職先が決まっている
というケースと、
長期間無職
配偶者も無職
預貯金が少ない
再就職の予定がない
というケースでは、将来の生活安定性が大きく異なります。
そのため、
「現在の給与が0円」という一点だけでなく、今後どのように生活を維持するのか
を確認する必要があります。
雇用保険の基本手当を受給中なら大丈夫?
退職後、ハローワークで雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付を受給している方もいます。
厚生労働省は、基本手当について、
失業中の生活の安定を図りながら、求職活動を容易にするための給付
と説明しています。
したがって、失業給付を受給していること自体について、
「受給しているから永住申請ができない」という公表基準はありません。
一方で、基本手当は原則として求職期間中に支給される一時的な給付です。
永住の独立生計要件は、
将来も安定した生活が見込まれるか
を見る条件です。
そのため、
「現在、失業給付を月○万円受給している」
という事実だけではなく、
いつまで受給できるのか
現在どのように求職活動しているか
再就職の見込み
配偶者等の収入
預貯金
などをあわせて確認した方がよいでしょう。
配偶者が働いていれば、自分が無職でも申請できる?
可能性はあります。
永住申請の公式必要書類では、
申請人だけでなく「申請人を扶養する方」の職業・所得に関する資料
も提出対象とされています。
例えば、
申請人:現在無職
配偶者:正社員・年収500万円
という世帯と、
申請人:無職
配偶者:無職
という世帯では、生活基盤が大きく異なります。
そのため、
配偶者の在職証明書
配偶者の所得
世帯全体の生活費
扶養人数
預貯金
などを含めて確認します。
ただし、
「配偶者に収入があれば必ず許可される」という一律の基準があるわけではありません。
世帯構成や収入額、過去の所得・納税状況などもあわせて判断する必要があります。
預貯金が多ければ無職でも大丈夫?
永住申請では、預貯金も資産を示す資料の一つです。
出入国在留管理庁は、就労資格等からの永住申請について、
預貯金通帳
不動産の登記事項証明書
これらに準ずる資料
を資産証明として案内しています。
そのため、退職直後で一時的に無職になっている場合、
十分な預貯金があることは生活基盤を説明する一つの材料になります。
ただし、
「預貯金が○万円あれば無職でも永住できる」
という公表された金額基準はありません。
また、永住審査では一時点の残高だけではなく、
将来にわたる生活の安定性
を見るため、
預貯金だけで長期間生活する予定なのか、再就職予定があるのかによっても評価材料は変わります。
退職したばかりならすぐ申請してもいい?
退職直後だから必ず申請できない、というルールはありません。
ただし、申請時点の状況によっては、
再就職後まで待った方が説明しやすいケース
があります。
特に、
独身
配偶者からの扶養なし
再就職先未定
預貯金が多くない
退職後の収入が失業給付のみ
という場合には、
「将来も安定して生活できる」
ことを説明する材料が少なくなります。
一方、
すでに内定がある
入社日が決まっている
新しい雇用契約書がある
という場合には、現在無職でも将来の収入見込みを説明できる可能性があります。
内定がある場合はどんな資料を準備する?
退職済みでも、すでに次の勤務先が決まっている場合には、
採用通知書
内定通知書
雇用契約書
労働条件通知書
入社予定日が分かる資料
予定給与が分かる資料
などが説明資料になり得ます。
重要なのは、
「現在は無職だが、○月○日からこの会社で勤務する予定である」
という状況を客観的に示せることです。
ただし、まだ入社していない以上、
実際の給与支給実績や在職実績はありません。
申請時期を急ぐ必要がなければ、
入社後、一定の勤務実績を作ってから申請する方が資料上分かりやすいケース
もあります。
自己都合退職と会社都合退職で違う?
退職理由だけで、
自己都合=不許可
会社都合=許可
と決まるわけではありません。
ただし、
会社倒産
リストラ
契約終了
本人都合での退職
家族事情
転居
など、
なぜ現在無職なのか
は、現在の状況を説明する際の重要な背景になります。
例えば会社倒産によって突然失業した後、積極的に求職活動を行っているケースと、
長期間働く意思がなく無職を続けているケースでは事情が異なります。
退職理由そのものより、
現在の生活状況と今後の就労見込みを一貫して説明できること
が重要です。
技人国などの就労資格で無職になった場合は別の注意もある
在留資格「技術・人文知識・国際業務」など、勤務先との契約を基礎とする在留資格の場合、
永住の独立生計要件とは別に、
現在の在留資格を適切に維持しているか
も確認する必要があります。
例えば「技術・人文知識・国際業務」などでは、勤務先との契約が終了した場合、
原則として14日以内に所属機関に関する届出
を行う必要があります。
また、就労資格など入管法別表第1の在留資格については、
正当な理由なく本来の活動を3か月以上継続して行っていない場合、在留資格取消しの対象となり得る
とされています。
ただし、活動を行っていないことについて正当な理由がある場合は、取消しの対象にならないとされています。
したがって、無職期間が続いている場合は、
永住申請だけでなく、
現在の在留資格自体に問題がないか
も確認しておく必要があります。
求職活動をしていることも説明できるようにする
無職期間中に再就職を目指している場合には、
実際に求職活動をしていることを整理しておくとよいでしょう。
例えば、
ハローワークへの求職登録
求人への応募履歴
面接案内
転職エージェントとの連絡
内定通知
求職活動の経緯
などです。
これらを提出すれば必ず永住審査で有利になるという公表基準はありません。
ただし、
無職状態が一時的なもので、再就職に向けて活動している
という事情を説明する資料として利用できる場合があります。
退職すると税金にも注意が必要
会社員時代は住民税が給与から特別徴収されていた方でも、
退職後は、
普通徴収へ切り替わる
場合があります。
永住申請では、就労資格等の場合、直近5年分の住民税について課税・納税状況が確認され、給与天引きされていない期間については、期限内納付を示す資料が求められています。
そのため、
「会社を辞めたので給与天引きではなくなった」
というタイミングで、
納付書を放置して支払期限を過ぎてしまう
ということがないよう注意が必要です。
無職期間よりも、
退職後に税金を期限どおり払わなくなったこと
の方が永住審査上大きな問題になる場合があります。
年金・健康保険の切替えにも注意
会社を退職すると、
それまで勤務先の厚生年金・健康保険に加入していた方が、
国民年金
国民健康保険
等へ切り替わる場合があります。
永住申請では、原則として直近2年間の公的年金・公的医療保険の納付状況を証明する資料が求められます。
そのため、
退職後の切替えを忘れる
国民年金や国民健康保険料を放置する
という状態は避けなければなりません。
失業により保険料負担が難しい場合でも、自己判断で未納のままにせず、利用できる制度や必要な手続について市区町村・年金事務所等へ確認することが重要です。
無職期間が過去にあっただけならどうなる?
「今は働いているけれど、過去に半年ほど無職期間があった」
というケースもあります。
過去に無職期間があったというだけで、
永住申請ができなくなるという公表基準はありません。
ただし、就労資格等からの一般的な永住申請では、
過去5年分の所得・住民税等
を確認するため、失業した年度の所得が低くなっていることがあります。
その場合には、
なぜ所得が下がったのか
無職期間はどのくらいだったのか
その後再就職しているか
現在の収入は安定しているか
を含めて確認します。
現在すでに安定就職している場合は、
「現在無職」のケースとは審査材料が大きく異なります。
日本人・永住者の配偶者等は考え方が異なる
申請人が、
日本人の配偶者または子
永住者の配偶者または子
特別永住者の配偶者または子
に該当する場合、
入管法上、通常の永住申請で求められる
素行善良要件と独立生計要件について、適合することを要しない
とされています。
そのため、
「本人が現在無職」
という事実の意味は、一般的な就労資格から申請する場合とは異なります。
ただし、公式必要書類では職業・所得・納税・社会保険等に関する資料の提出が求められます。
また、公的義務の履行等、その他の審査事項がなくなるわけではありません。
自分がどのルートで永住申請するのかを区別して考える必要があります。
申請を待った方がよい可能性があるケース
次のような場合には、すぐ申請するより、
再就職後に申請時期を見直した方がよい可能性があります。
申請人本人が現在無職
独身で扶養してくれる家族がいない
再就職先が決まっていない
失業給付終了後の収入見込みがない
預貯金が少ない
過去数年の所得も低い
無職期間が長期化している
在留資格上の活動も長期間行っていない
退職後の年金・健康保険の手続ができていない
住民税等の納付に遅れがある
永住申請は、
「申請できる最短日」だけでなく、「どの時点なら安定性を最も説明しやすいか」
を考えて申請時期を決めることが重要です。
逆に、無職でも検討しやすいケース
一方、例えば次のような状況では、
無職であることだけを理由に申請を諦める必要はありません。
退職から日が浅い
次の勤務先の内定がある
入社日・給与が確定している
配偶者に十分な安定収入がある
十分な預貯金・資産がある
過去の所得が安定している
税金・年金・健康保険を適切に履行している
失業理由と今後の生活計画を説明できる
ただし、どの条件があれば必ず許可されるというものではありません。
個別の状況を総合的に確認する必要があります。
よくある質問
無職であることだけを理由に申請自体ができないという制度ではありません。
出入国在留管理庁の必要書類でも、申請人と配偶者が双方無職の場合について説明書の提出が案内されています。
雇用保険の基本手当は失業中の生活安定と再就職を支える制度ですが、通常は一時的な給付です。
永住では将来の生活安定性を見るため、再就職見込み、配偶者収入、預貯金等も含めて確認します。
申請人を扶養する方の職業・所得資料も審査資料になります。
ただし、配偶者の収入額、家族人数、生活費等を含めて個別に判断する必要があります。
内定通知書や雇用契約書等により将来の勤務・収入予定を説明できる場合があります。
ただし、実際の在職・給与実績がないため、入社後まで待つ方が適切なケースもあります。
自動的に失効するわけではありません。
ただし、就労資格等で本来の活動を正当な理由なく3か月以上行っていない場合は、在留資格取消しの対象となり得ます。
求職中の方は、現在の在留資格についても個別に確認してください。
「再就職後○か月必要」という全国一律の公表基準はありません。
現在の収入、過去の所得、退職理由、世帯状況等を踏まえて申請時期を判断します。
まとめ|無職でも申請はできるが「今後の生活」をどう説明するかが重要
無職・失業中であるという理由だけで、
永住許可申請そのものができなくなるわけではありません。
実際、入管庁の公式必要書類でも、申請人・配偶者が無職の場合の提出方法が案内されています。
しかし、一般的な永住申請では、
将来において安定した生活が見込まれること
が重要です。
そのため、
失業給付
配偶者の収入
預貯金
過去の所得
再就職の見込み
内定の有無
求職状況
税金
年金
健康保険
現在の在留資格
を総合的に確認する必要があります。
特に、
「今申請するべきか、再就職後まで待つべきか」
は案件によって判断が大きく変わります。
エンライト行政書士事務所では、
「会社を辞めたばかりで永住申請を考えている」
「失業給付を受給中だが申請できるか知りたい」
「配偶者の収入だけで生計条件を満たせるか確認したい」
「内定はあるが入社前に申請していいか迷っている」
といったケースについて、現在の収入だけでなく、過去の所得・世帯収入・資産・公的義務・在留資格まで含めて申請時期を確認しています。
初回の要件確認は無料です。
エンライト行政書士事務所
行政書士 宮島 詩卉
電話:03-5284-7981
受付時間:平日10:00~18:00
全国オンライン・WeChatでのご相談にも対応しています。
参考情報
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」
出入国在留管理庁「永住許可申請3」
出入国在留管理庁「永住許可申請」
出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」
出入国在留管理庁「在留資格の取消し」
厚生労働省「基本手当について」
厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
※無職期間、預貯金額、失業給付額、再就職までの期間について、「○か月以内」「○万円以上」で永住許可・不許可を分ける全国一律の公表基準はありません。実際の申請時期は、在留資格、世帯収入、過去の所得、公的義務の履行状況等を含めて個別に判断する必要があります。
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