Column
Column

「技人国ですが、別会社から副業収入があります。」
「業務委託なので資格外活動許可は取っていません。」
「家族滞在でアルバイトしています。」
「以前、週28時間を超えて働いたことがあります。」
「YouTubeやネット販売の収入も副業になりますか?」
副業があるからといって、
それだけで帰化申請ができなくなるわけではありません。
しかし帰化では、
いくら副業収入があるか
だけではなく、
その活動を現在の在留資格で適法に行っていたか
を確認する必要があります。
法務省は帰化の住所条件について、
正当な在留資格を持って適法に日本に住所を有していること
を求めています。
そのため、
本業は問題ない
↓
しかし副業が在留資格の範囲外
という状態では、帰化申請前に慎重な確認が必要です。
帰化では「現在のビザ」だけでなく、これまで適法に在留してきたかが重要
帰化の一般的な条件には、
素行が善良であること
という条件があります。
法務省は、素行について、
犯罪歴
納税状況
社会への迷惑の有無
などを総合的に考慮するとしています。
また、住所条件についても、
正当な在留資格を有していなければならない
と明記しています。
したがって、
「在留カードの期限が残っているから問題ない」
だけではありません。
実際にその在留資格で認められた範囲の活動を行ってきたかも重要です。
「技術・人文知識・国際業務」は、
専門的な知識や外国文化に基づく能力等を必要とする一定の活動を行うための在留資格です。
そのため、
技人国を持っている=日本国内で自由にあらゆる副業ができる
という意味ではありません。
例えば、
本業:ITエンジニア
副業:別会社のシステム開発
と、
本業:ITエンジニア
副業:専門性と関係のない別の仕事
では、在留資格上の整理が異なる可能性があります。
本業と似た仕事でも「何も確認しなくていい」とは限らない
副業の仕事内容自体が技人国に該当する場合、
必ずしも資格外活動許可が必要になるとは限りません。
一方で、
契約相手
契約形態
実際の仕事内容
新たな契約機関との関係
などによっては、入管への届出等を確認する必要があります。
技人国等については、新たな契約機関との契約締結や契約終了があった場合、
原則14日以内に所属(契約)機関に関する届出
が必要になるケースがあります。
したがって、
「本業と同じ仕事だから入管とは一切関係ない」
とも言い切れません。
業務委託なら在留資格は関係ない、という考え方は危険
副業では、
業務委託
フリーランス
請負
雇用契約
など、さまざまな契約形態があります。
しかし入管上重要なのは、
契約書のタイトルだけではありません。
本人が実際に、
どのような活動を行い、その対価として何を受け取っているのか
を確認します。
したがって、
「給与ではなく業務委託報酬だから大丈夫」
「個人事業として請求書を出しているからビザとは関係ない」
という自己判断は避けた方がよいでしょう。
在留資格の範囲外なら資格外活動許可が必要になる場合がある
現在持っている在留資格に属さない、
収入を伴う事業を運営する活動
または、
報酬を受ける活動
を行う場合には、資格外活動許可が必要になることがあります。
就労資格を持つ方が、
現在とは別の就労資格に該当する活動を副業として行う場合には、
活動内容を特定した個別の資格外活動許可
が検討されるケースがあります。
重要なのは、
副業を開始してから何年も経った後、帰化申請のときに初めて確認するのでは遅い場合がある
ということです。
「週28時間以内なら大丈夫」はすべての外国人に共通するルールではない
外国人のアルバイトについて、
週28時間
という数字を聞いたことがある方は多いと思います。
しかし、このルールは代表的には、
留学
家族滞在
などの方が包括的な資格外活動許可を受けてアルバイトする場合に関係するものです。
例えば技人国の方が、
現在の在留資格に含まれない仕事を副業する場合に、
週28時間以内なら自由に何でもできる
という制度ではありません。
したがって、
「週5時間しか副業していないから問題ない」
とも単純には判断できません。
仕事内容そのもの
の確認が必要です。
家族滞在で働いている場合は週28時間を確認
「家族滞在」は、本来、
一定の在留資格を持つ外国人の扶養を受ける配偶者や子
として日常生活を行うための在留資格です。
包括的な資格外活動許可を受けた場合には、一般的に、
1週について28時間以内
の範囲で就労できます。
そのため、
家族滞在で長期間、
週30時間
週35時間
など働いていた場合には、
帰化申請前に実際の勤務記録を確認した方がよいでしょう。
「シフト上は28時間以内」でも実労働時間に注意
例えば、
契約書:週25時間
しかし、
繁忙期の残業を含めると週30時間超
というケースがあります。
確認すべきなのは、
契約書上の予定時間だけではなく、実際の就労状況
です。
給与明細、タイムカード、シフト表等から勤務実態が分かる場合もあります。
週28時間を超えたら一度でも帰化できない?
「一度28時間を超えたら帰化は永久に不許可」
という全国一律の公式基準は公表されていません。
実際には、
いつのことか
何回あったか
何時間程度か
意図的・継続的だったか
現在は適正な状態か
などを確認する必要があります。
そのため、
過去に超過がある方は、
隠して申請するのではなく、実際の状況を整理してから申請時期を判断する
ことが重要です。
無許可のアルバイト歴がある場合
例えば、
技人国で会社員として勤務
↓
休日に飲食店でアルバイト
↓
資格外活動許可なし
というケースです。
本業が適法であっても、
別の有償活動が在留資格の範囲外であれば、
資格外活動との関係を確認する必要があります。
現在すでにそのアルバイトを辞めているからといって、
過去の活動が当然に帰化審査と無関係になる
とは限りません。
「今はやめたから書かなくていい」は避ける
帰化では履歴書に職歴等を記載し、
収入・税務資料なども確認します。
過去の副業収入が、
確定申告
住民税
銀行振込
源泉徴収票
などに現れている場合もあります。
重要なのは、
副業をなかったことにするのではなく、
資料同士に矛盾が出ないように整理すること
です。
副業収入を確定申告している=在留資格上も適法、ではない
これは非常に重要です。
税務署へ収入を申告して税金を払っていても、
その活動が入管法上認められていたことを意味するわけではありません。
税務と在留資格は別の制度です。
つまり、
税金を払ったから資格外活動許可は不要
とはなりません。
逆に、在留資格上問題のない副業でも、
必要な税務申告をしていなければ税務面の問題が生じます。
帰化では、
入管上の適法性+税務上の適正処理
の両方を確認する必要があります。
副業の税金を申告していなかった場合
東京法務局は2026年9月現在、中国籍の帰化申請について、
複数年度の、
住民税課税証明書
住民税納税証明書
源泉徴収票
等を求めています。
また、確定申告義務がある方には、
確定申告・所得税関係資料も追加されます。
そのため、
本業給与500万円
+
副業100万円
なのに、
副業を申告していない
という状態では、
税務上の処理をまず確認する必要があります。
「副業20万円以下なら何も申告しなくてよい」とは限らない
会社員の副業について、
20万円
という数字だけが独り歩きすることがあります。
所得税の確定申告が不要となるケースがあっても、
住民税の申告等について別途対応が必要になる場合があります。
また、税務上申告不要かどうかと、
在留資格上その副業を行ってよいか
は別問題です。
したがって、
「20万円以下だから帰化でも何も関係ない」
とは考えない方がよいでしょう。
YouTube・TikTok・SNS収益は?
近年相談が増えているのが、
YouTube広告収入
TikTok
SNS運用
アフィリエイト
ライブ配信
オンライン講師
コンテンツ販売
などです。
これらも、
インターネット上の収入だから在留資格とは関係ない
とは限りません。
重要なのは、
本人が日本に在留しながら、
継続的にどのような活動を行って報酬を得ているか
です。
趣味でたまたま収入が発生した場合と、継続事業は同じではない
例えば、
趣味で投稿した動画から一時的に少額収入が発生
というケースと、
毎日動画を制作
↓
企業案件を受注
↓
広告・案件収入で継続的に生活
というケースでは実態が異なります。
後者については、
副業・事業活動として現在の在留資格との関係を確認した方がよいでしょう。
ネット販売・EC・転売も内容次第
メルカリ等で不要品をたまに売ることと、
仕入れ
↓
継続販売
↓
利益獲得
を目的として事業的に運営することは同じではありません。
また、
自らECサイトを運営し、
継続的に商品を仕入れて販売する場合には、
「副業」ではなく事業運営としての性質
も確認する必要があります。
個人事業を始めている場合は特に注意
会社員として技人国で在留しながら、
開業届を提出
顧客を継続的に獲得
自ら価格を決定
複数社と契約
従業員や外注を使用
売上の大部分を副業で得る
という状態になっている方もいます。
この場合、
「休日だけやっている副業」
という言葉だけでは判断できません。
実際の活動が、
現在の就労資格で認められる専門活動なのか
または、
事業経営として別の在留資格との関係が生じるのか
を確認する必要があります。
副業収入が本業より多くなっている場合
例えば、
本業給与:年450万円
副業所得:年700万円
というケースです。
収入が多いこと自体が帰化に悪いわけではありません。
しかし、
現在の技人国等の在留資格を前提としているにもかかわらず、
実質的な生活・就労の中心が副業になっている
場合には、
現在の在留資格との整合性を確認した方がよいでしょう。
海外企業から報酬を受けている場合
中国企業や米国企業等から、
日本にいながらオンラインで仕事をしている方もいます。
「相手が海外企業だから日本の在留資格は関係ない」
と単純には考えない方がよいでしょう。
本人が日本国内で、
継続的に有償活動を行っている場合には、
実際の仕事内容と現在の在留資格の関係を確認する必要があります。
FX・株式投資の利益は普通の副業と同じ?
自分の資金を使った一般的な株式・投資信託等の資産運用と、
他人の資産を運用したり、業として投資サービスを提供したりすることは同じではありません。
また、投資益の税務処理も取引内容によって異なります。
単純な個人投資を、
「資格外活動だから不可」
と一律に扱うべきではありません。
実際の活動内容を区別して考える必要があります。
副業先を増やしたときの入管届出も確認する
技人国等、一定の在留資格では、
契約機関との契約終了や新たな契約締結等について、
原則14日以内
の届出義務があります。
例えば、
本業会社A
+
副業契約会社B
というケースで、Bとの契約が届出対象となる場合があります。
帰化のためだけに後から整理するのではなく、
これまでの入管上の届出が適切だったか
も確認しておくことが重要です。
届出を忘れていたら帰化できない?
届出義務違反についても、
一度忘れたら永久に帰化不可
という全国一律の公表基準はありません。
一方で、帰化では適法な在留や素行を確認します。
そのため、
何の届出か
いつ発生したか
どの程度遅れているか
現在どうなっているか
を確認し、必要な対応を整理することになります。
帰化直前に副業をやめれば問題は消える?
一律にはいえません。
例えば、
3年間無許可の副業
↓
帰化相談の1か月前に辞める
という場合、
現在副業をしていないことと、
過去にどのような在留状況だったか
は別問題です。
申請時点だけを形式的に整えるのではなく、
過去の期間、活動内容、収入、税務状況等を確認する必要があります。
過去の資格外活動に「何年待てばよい」という全国一律基準はない
よく、
「違反してから3年待てばいいですか?」
「5年経てば大丈夫ですか?」
と聞かれます。
しかし、法務省は、
資格外活動違反から○年間経過すれば帰化可能
という全国一律の期間を公表していません。
そのため、
違反内容
期間
回数
現在の状況
その他の素行
税務処理
などを個別に確認する必要があります。
帰化相談質問票でも職業・収入を確認する
東京法務局の現在の「帰化相談質問票」には、
申請人本人について、
職業
月平均収入
年収
を記載する欄があります。
配偶者・親族の職業・収入も確認します。
また、帰化申請では、
履歴書
や、
生計の概要
なども作成します。
副業がある場合には、
本業だけを前提に書類を作ると、
他の税務・収入資料との間に差が生じる可能性があります。
家族滞在の配偶者が副業している場合、申請人にも関係する?
帰化の生計条件は、
生計を一つにする親族単位
で判断されます。
例えば、
夫:技人国
妻:家族滞在
で、夫が帰化申請する場合でも、
妻の収入・就労状況が世帯の生計資料に関係することがあります。
妻が週28時間を大きく超えて働いている場合には、
「申請人本人ではないから関係ない」
と完全に切り離して考えない方がよいでしょう。
副業がある方が帰化前に特に確認したいケース
次のような方は、副業収入だけを見て帰化申請時期を判断しないことをおすすめします。
技人国で別会社の仕事もしている
業務委託報酬がある
資格外活動許可を取った記憶がない
家族滞在で週28時間近く働いている
週28時間を超えた可能性がある
飲食店等でアルバイトしたことがある
YouTube・TikTok等から継続収入がある
ネット販売を事業として行っている
個人事業を開始している
副業収入が本業を超えている
海外企業から報酬を受けている
副業を税務申告していなかった
新しい契約先について入管届出をしていない
過去の副業はすでにやめている
このようなケースでは、
入管+税務+帰化資料
の3つを別々ではなく、まとめて確認することが重要です。
よくある質問
副業があるだけで帰化不可とはいえません。
まず、副業内容が現在の在留資格の範囲内か、資格外活動許可等が必要だったかを確認します。
同じ技人国に該当する活動であっても、契約関係や入管への届出等を確認した方がよい場合があります。
契約名称だけでは判断できません。
実際の仕事内容・活動内容から確認します。
期間、回数、実際の労働時間、現在の状況等を確認する必要があります。
「一度超えれば永久に帰化不可」という全国一律の基準は公表されていません。
税務上の適正処理と、在留資格上の適法性は別問題です。
両方を確認します。
収入額だけでなく、活動の内容・継続性・事業性等を確認します。
現在辞めていることだけで過去の問題が自動的に消えるわけではありません。
実際の期間・活動内容等を整理します。
資格外活動歴について全国一律の「○年待てばよい」という公式基準はありません。
個別状況を確認する必要があります。
副業がある帰化申請は「収入が増えた」だけで判断しない
副業によって年収が増えると、
生計条件にはプラスなのでは
と考えやすいと思います。
しかし帰化では、
収入が多いことだけではなく、
日本で適法に在留し、適正に税金等を処理して生活してきたか
も重要です。
そのため副業がある場合には、
副業収入
だけを見るのではなく、
現在の在留資格+資格外活動許可+入管届出+税務処理
を一つにつなげて確認する必要があります。
エンライト行政書士事務所では、副業・兼業がある方について、
現在の在留資格
本業の仕事内容
副業の仕事内容
資格外活動許可
週28時間制限
業務委託・個人事業
入管への契約機関届出
副業所得の確定申告
住民税
過去の副業歴
世帯全体の就労状況
まで確認したうえで、現在帰化申請を進められる状態かを整理しています。
帰化申請の初回要件確認は無料です。
エンライト行政書士事務所
行政書士 宮島 詩卉
電話:03-5284-7981
受付時間:平日10:00~18:00
法務省「国籍Q&A」
東京法務局「帰化相談(初回相談)を希望される方へ」
東京法務局「帰化許可申請書に添付する書類(中国の方)」
東京法務局「帰化相談質問票」
出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」
出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」
Related
配偶者や子どもの扶養が多い、中国の両親にも仕送りしている場合、永住申請の年収はいくら必要?永住には「扶養1人につき年収○万円追加」という公表された全国一律基準はありません。重要なのは、世帯人数・継続収入・扶養状況・税金・海外送金などを踏まえて、将来も日本で安定した生活を続けられるかです。扶養家族、共働き、専業主婦・主夫、海外扶養について解説します。
続きを読む日本へ帰化すると中国名は変えなければならない?今の姓・名前を残せる?簡体字は使える?本籍は現在の住所と同じ場所にする必要がある?帰化申請ではあらかじめ帰化後の氏名・振り仮名・本籍を決めます。中国籍の方が特に迷いやすい氏名の文字、夫婦の姓、通称名、本籍、帰化後の戸籍について2026年最新情報を解説します。
続きを読む中国に銀行預金や不動産がある、海外から家賃・配当・事業収入を受け取っている、日本へ定期的に送金している場合、永住申請ではどう扱われる?海外資産は生計の安定性を説明する材料になり得ますが、日本で必要な所得申告・納税をしていなければ別の問題が生じます。海外預金、不動産、海外送金、国外所得、国外財産調書について2026年最新情報を解説します。
続きを読むLet's Start
ビザ・帰化申請に関するご相談を、行政書士が丁寧にお伺いします。 オンライン相談にも対応しています。